コラム

ここからページの本文です

2023/4/10

Nr.64 ごあいさつ(「独検2023夏」受験要項より)

粂川 麻里生 (慶應義塾大学教授・公益財団法人ドイツ語学文学振興会理事長)


全国津々浦々でドイツ語を学んでいらっしゃる皆さま、2023年夏の独検へのお招きを申し上げます。初めての方も、これまでに取得した級をお持ちの方も、ぜひふるってご参加ください。

皆さんは、どのようにしてドイツ語を学んでいらっしゃるのでしょうか。大学や高等学校などの授業でしょうか。あるいは、語学学校に通っていらっしゃるのでしょうか。ラジオ講座、テレビ講座でしょうか。塾や家庭教師の方に習っておいででしょうか。それとも YouTube 動画? ひょっとして Duolingo? 独検は、日本でドイツ語を学んでいらっしゃる方であれば、どなたでもドイツ語力の力試しができるように、問題の形式やレベル設定が工夫されています。各級の問題は、各地の大学・高専・高校などの、もちろんネイティヴの方々も含む日本を代表する実績ある先生がた(試験の秘密を守るためにお名前は出せないのですが)にお集まりいただいて、丸一年以上かけて作られたものです。独検の過去問題集は最高度に優れたドイツ語の教材として、各地でお使いいただいています。この夏も、楽しく挑みがいのある検定問題が、皆さんをお待ちしています。独検のホームページにも少しだけですが過去問題のサンプルを掲載しています。ご覧いただければ、初めての方も大体どんなスタイルの試験なのかがお分かりになるでしょう。

今回も北から南まで全国の大学に試験会場となっていただけました。「ウィズコロナ」の難しい状況の中で、各会場を運営してくださる皆さまにも、心より感謝申し上げる次第です。コロナ禍を乗り越えて、少しずつ国際交流も戻りつつありますが、日本に真っ先に戻ってきた外国人グループのひとつが、ドイツ語圏からの旅行者の方たちだそうです。私たち「日本のドイツ語人」たちも、負けずに異言語圏と積極的に交流し、異なる文化や考え方、感じ方を深く学ぼうとする姿勢を共有してまいりましょう。それがいつの日か、本当の豊かさや本当の平和をもたらしてくれると信じて。